うどんとクロワッサン、どっちが太る?
日ごろからダイエットを気にしている人は、食品のカロリーをチェックするのがクセのようになっているかもしれませんね。
もちろんカロリーをチェックして食べすぎを防ぐことは健康にとっても美容にとっても大切です。でも、同じカロリーでも太りやすいものとそうでないものがあるとしたら・・・?
高カロリーのものを食べ続ければ、エネルギーは余り脂肪となって蓄積されるのはご存知の通り。
では、ダイエットするためには食べる量を減らさなければいけないのか?というと、ちょっとした工夫で食べる量を減らさなくてもダイエットしやすくなります。
それが「GI値」と「インスリン」の関係です。
GI値とは?
GI値のことを知る前に、ちょっとだけ、私たちが食べ物を食べた後の体の働きを確認しておきましょう。
食事などで体内に入った食べ物の糖質はブドウ糖に分解され、血液中に流れます。
この血液中の糖分を表したものが「血糖値」です。
食事をすると最も早く吸収される栄養素が糖質です。
つまり食事をするとすぐに血糖値が上昇します。するとインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖をエネルギーに変え、筋肉や肝臓に貯蔵する働きをします。
でも、血糖値が高くなりすぎると血中・筋肉・肝臓だけではエネルギーを蓄えきれなくなります。
するとインスリンは余ったブドウ糖を中性脂肪に変え、脂肪細胞にしまい込みます。
つまり、血糖値が急激に上がりやすい食事を摂ればインスリンがたくさん分泌され、脂肪を蓄えてしまうということになります。
たとえ食べる量が同じでも、血糖値が急上昇しないものを選ぶことでインスリンの分泌量を抑えることができ、脂肪をため込まない食事ができます。
その食べ物を摂取した後の血糖値の上昇度合いを表したものがGI値(Glycemic Index)です。
食べるものを低GI値のものに変えるだけダイエット
GI値は高カロリーのものが高いとは限りません。
たとえばうどんのカロリーは100gあたり270kcal、それに比べバターをたっぷり使ったクロワッサンは448kcalと高カロリーですが、GI値を比べるとうどんが80、クロワッサンは68。
うどんを食べたときの方が血糖値が上がりやすく、インスリンが分泌されやすいということになります。
食べ物をカロリーだけで選んでいると思いがけない落とし穴があるというわけです。
低GI食品で健康ダイエットをするメリットは主に次の3つです。
1.カロリー計算不要、「色」で見分ける低GI食品
「1つ1つの食品のカロリーを計算して、栄養バランスも考えて・・・」
毎日の食事でこんなことをしなければいけないなんて、考えるだけで心が折れそうになってしまいますよね。
低GIダイエットなら、GI値の高いものを低GIのものに置き換えればOKです。
GI値が特に高いのはごはんやパン、麺類といった主食です。
主食を白から茶色(色付き)に変えることで、GI値を下げることができます。
- 主食を低GI食品に変える例
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- 白米(84)⇒玄米(56)、五穀米(55)
- 食パン(91)⇒ライ麦パン(58)
- うどん(80)⇒そば(59)
※( )内の数値はその食品のGI値を表しています。
2.同じ量を食べられるからストレスが貯まりにくい
食欲を我慢するのは思った以上にストレスがかかります。
我慢に我慢を重ねた挙句、ドカ食いしてしまってリバウンドしてしまったり、拒食症や過食症などになってしまっては本末転倒。健康を崩してしまっては意味がありません。
GI値のことを頭の片隅に入れておけば、ストレスを感じずにダイエットをすることができます。
食堂で食べていたうどんをそばに変えたり、食パンをライ麦パンや玄米パン、全粒粉パンなどに変えるだけ。量をガクンと減らす必要はありません。
3.食べる順番を変えるだけでも低GIになる
玄米ご飯を用意できない場合は、食べる順番を変えるだけで低GIになります。
ポイントは食物繊維やタンパク質、脂質を先に食べること。
糖質の多い主食を食べる前に食物繊維やタンパク質、脂質で堤防を作ることで、糖質食材の吸収をゆるやかにすることができます。
ちなみに「健康食」「ダイエット食」のイメージの強い和食ですが、先述した通り白米やうどん、そしてお餅などはGI値が高い食べ物です。
また、煮物に砂糖が使われていたりすると案外GI値の高い食べ物になってしまいます。
料理をするときにできるだけ低GIにするためのポイントは調味料。
砂糖をみりんに変えてみたり、酢や香辛料、ハーブなどで風味や酸味を加えるなどの工夫で低GIの食事になります。
とはいえ、いくら低GI値の食べ物でも量を食べすぎれば肥満につながります。
ストレスをためない程度に腹八分目を心がけつつ「毎日続ける」ことが何よりの成功の秘訣です。
こんなときは高GI食品が有効
ダイエットや生活習慣病の予防・改善には低GI値の食品が有効ですが、場合によっては高GI値の食品が有効なこともあります。
- 高GI値食品が有効なケース
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- 風邪をひいているとき
- 体力が低下しているとき
- スポーツ直前やスポーツ中のエネルギー補給
- 幼児期
状況に合わせて低GI、高GIを使い分けてくださいね。