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ダイエットはもちろん、健康のためにも「バランスの良い食事」が大切なことはご存知の通り。
でも、「バランスの良い食事」を摂るためには、どんな栄養素をどのくらい食べればい良いのでしょう?
カロリーの摂り過ぎはもちろんいけませんが、各種ビタミンやミネラルが不足することは健康面から見てマイナスなのはもちろん、エネルギーを燃やすために必要不可欠な栄養素が不足すると、ダイエットがしにくくなるといったデメリットがあります。
そこで、ここでは1日に必要な栄養素の目安をまとめました。
1つ1つの栄養素を計算しながら食事を作るのは大変ですが、「ビタミンB1がどんな食品に含まれているのか?」「最近の食事の内容はかたよっていないか?」など、普段から食事内容を意識することにつなげてもらえればうれしいです。
また、栄養素をまんべんなく摂るためには、少しずついろいろな種類の食べ物を食べることを意識してみてくださいね。
成人が1日に必要な栄養素
健康な大人が1日に摂りたい栄養素は、厚生労働省が「国民健康・栄養調査」で発表しています。
性別・年齢・体型・体格・体質などにより差はありますが、「国民健康・栄養調査」をもとに、毎日の食事の目安として、また食事を摂る際の意識アップのために各栄養素の摂取量の目安をまとめました。
エネルギー(カロリー)の必要量
ダイエット中に最も気になるのが『カロリー』です。
ということで、まずは成人のエネルギー必要量から見ていきましょう。
成人のエネルギー必要量は日々の生活の活動量(身体活動レベル)で違いが出てきますので、まずはあなたが体をどのぐらい使っているか、どの身体活動レベルに当てはまるかをチェックしてみましょう。
- 身体活動レベルと活動内容・時間の例
-
- 低い(Ⅰ):座っている時間が多く、動かない時間が中心
- ふつう(Ⅱ):座っていることが多いが、立っての作業や接客、移動、通勤や買い物、軽いスポーツなどをする
- 高い(Ⅲ):移動や立っていることが多い仕事、またはスポーツなどで活発に動く習慣がある
あなたがⅠ・Ⅱ・Ⅲのどれに当てはまるかを確認したら、早速それぞれの1日あたりの推定エネルギ―必要量を確認してみましょう。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
18~29歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,650 | 1,950 | 2,200 |
30~49歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,750 | 2,000 | 2,300 |
50~69歳 | 2,100 | 2,450 | 2,800 | 1,650 | 1,900 | 2,200 |
※単位はkcal/日
たとえば一般的な定食のカロリーは600~1000kcal程度。
お昼に定食を食べると1日に必要な1/2~1/3のカロリー以上を摂取することになりますが、小腹が空いてメロンパンを食べたとするとプラス330~530kcal。
そんなに食べていないつもりでも案外カロリーオーバーになっているということは珍しくありません。
カロリーのある栄養素の摂取基準
上記「エネルギー必要量」を踏まえ、カロリーのある3つの栄養素の1日の摂取量の基準をチェックしてみましょう。
カロリーのある栄養素は『糖質』・『脂質』・『タンパク質』の3つです。

『炭水化物』もエネルギーがあるんじゃないの?
カロリーのある栄養素は「糖質・脂質・タンパク質の3つ」と言いましたが、ごはんや麺類、パンなどは「炭水化物が多い食べ物」と言われますよね。
実は『炭水化物』とは糖質に食物繊維を合わせたもののことを指します。
つまり、炭水化物は糖質のエネルギーが含まれているものということになります。
1.糖質の摂取量の基準
糖質はエネルギー全体の50~65%に抑えるのが理想です。
日本人は糖質を摂る割合が多いので、摂り過ぎには注意!
食事をパンや丼もの、麺類だけで済ませてしまったりすると、どうしても糖質の割合が増えてしまいます。
2.脂質の摂取量の基準
脂質はエネルギー全体の20~30%に抑えるのが理想です。
糖質・タンパク質が1gあたり約4kcalなのに対し脂質は1gあたり約9kcalとカロリーが高いため、揚げ物や脂っこいものを食べすぎるとすぐにカロリーオーバーしてしまうので要注意です。
3.タンパク質の摂取量の基準
タンパク質の1日あたりの摂取量の基準は、男性で60g、女性で50gです。
タンパク質の豊富な食べ物といえば肉や魚、卵、乳製品など。
たまになら良いですが、「300gステーキ」「200gハンバーグ」などを日々食べるのはカロリーオーバーの元!
また、動物性たんぱく質はコレステロール値が高いため、食べすぎは禁物です。
コレステロールゼロの植物性タンパク質が豊富な大豆や納豆・豆腐などの大豆製品もあわせて摂るように心がけてくださいね。
食物繊維の必要量
食物繊維は人間の消化液では消化されない様々な成分が集まったものです。
消化できないため以前は重要視されていませんでしたが、近年はその生理機能が注目され重要性が見直されるようになりました。
食物繊維は水に溶ける『水溶性食物繊維』と水に溶けない『不溶性食物繊維』に分かれます。
水溶性食物繊維は腸内でゼリー状になり、糖と消化酵素の間に壁を作り、血糖値の上昇を抑えたりコレステロールを体外に排出する作用があります。
不溶性食物繊維は腸内で水を吸って膨らみます。これが腸の活動を促し、便秘の予防・解消に役立つほか、大腸がん予防の効果も期待されています。
食物繊維の1日の摂取量は男性で20g以上、女性で18g以上が望ましいとされています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランス良く撮るのが理想的です。
- 水溶性食物繊維を多く含む食べ物
- ごぼう、らっきょう、アボカド、オクラ、モロヘイヤ、納豆、海藻類、キウィフルーツ、大麦、ライ麦、ごまなど
- 不溶性食物繊維を多く含む食べ物
- ごぼう、タケノコ、菜の花、アボカド、トウモロコシ、春菊、枝豆、大豆、サツマイモ、こんにゃく、キノコ類など
ミネラルの必要量
ミネラルは骨や歯、血液や骨髄など身体の構成成分となる栄養素であると同時に体内の水分バランスを整えたり、神経や筋肉の働きを調整するなどといった役割をもっています。
ミネラルは体内では作ることのできない栄養素です。つまり、食品から摂らない限り、不足してしまうということになります。

ミネラルの主な種類と働き
- カルシウム:骨や歯の構成成分。人体に最も多いミネラル。
- マグネシウム:骨格形成にかかわる。酵素の反応をサポートする。
- カリウム:体内の水分バランスを調整。筋肉運動を円滑にする。
- ナトリウム:カリウムとともに体内の水分バランスを調整。
- 亜鉛:タンパク質やDNAの合成をサポート。新陳代謝に不可欠。
- 鉄:赤血球のヘモグロビンの成分。酸素を全身に運ぶ。
- 銅:鉄の吸収をサポート。コラーゲンや毛髪などの色素の生成。
- ヨウ素:甲状腺ホルモンの材料になる。発育や代謝を促す。
- モリブデン:最終老廃物である尿酸の代謝を促す酵素の働きを助ける。
- マンガン:骨の形成を促す酵素など、多くの酵素の活動をサポート。
- クロム:糖質の代謝を促進するインスリンを助け、糖尿病を予防。
- コバルト:ビタミンB12の必須構成成分。造血機能を高める。
- カルシウム
- カルシウムの1日あたりの推奨量は男性で650~800mg、女性で650mgです。
カルシウムを多く含む食べ物
しらす干し・煮干しなど丸ごと食べられる小魚、ひじき、昆布、牛乳、ヨーグルト、チーズ、小松菜、枝豆、ほうれん草、ごま、切り干し大根など。
- マグネシウム
- マグネシウムの1日あたりの目標量は男性で340~370mg、女性で270~290mgです。
また妊娠初期には+40mgが推奨されています。マグネシウムを多く含む食べ物
納豆、きな粉、油揚げ、干しエビ、煮干し、するめ、あおさ、青のり、わかめ、ひじき、あさり、いくら、ごま、落花生、切り干し大根など。
- ナトリウム
- ナトリウムの1日あたりの推奨量は男性で8.0g未満、女性で7.0g未満です。
摂り過ぎ注意!!
通常は食塩として摂取するナトリウムは摂り過ぎるとむくみや高血圧の原因となります。
また胃がんのリスクが高くなることも指摘されています。 - カリウム
- カリウムの1日あたりの目安量は男性で2,500mg、女性で2,000mgです。
また妊娠中には+2,000mg、授乳中には+2,200mgが推奨されています。カリウムを多く含む食べ物
アボカド、納豆、ほうれん草、ほや、昆布、わかめ、ひじき、モロヘイヤ、おかひじき、ピスタチオ、落花生、バナナ、乾燥プルーンなど。
- 鉄
- 鉄の1日あたりの推奨量は男性で7.0~7.5mg、女性は月経ありで10.5mg、月経なしで6.0~6.5mgです。
また妊娠初期には+2.5mg、妊娠中・後期は+15.0mg、授乳中には+2.5mgが推奨されています。鉄を多く含む食べ物
豚レバー、鶏レバー、はまぐり、卵黄、赤身の肉、青のり、ひじき、煮干し、うなぎ、イワシ、きくらげ、切り干し大根、大根葉など。
- 亜鉛
- 亜鉛の1日あたりの推奨量は男性で10mg、女性は8mgです。
また妊娠中は+2mg、授乳中には+3mgが推奨されています。亜鉛を多く含む食べ物
牡蠣、カツオ、パプリカ、サバ、いわし、ごま、レンズマ豆、チーズ、ココア、牛肉、豚肉など。
ビタミンの必要量
ビタミンは微量で生命活動に欠かせない機能を持っています。
体内で作れないか、作れたとしても必要量に満たないため、食品から摂取する必要があります。
ビタミンは水に溶ける『水溶性ビタミン』と油脂に溶ける『脂溶性ビタミン』に分けられます。

水溶性ビタミンの種類と主な働き
- ビタミンB1:糖質の代謝を高める。疲労物質を処理する。
- ビタミンB2:皮膚や粘膜を保護する。脂質の代謝を高める。
- ビタミンB6:タンパク質の代謝に働く。皮膚炎予防にも有効。
- ビタミンB12:赤血球の生成。鉄の補給で改善されない貧血を予防。
- ナイアシン:アルコールの分解。二日酔いの予防。
- 葉酸:新陳代謝や成長、妊娠初期の胎児の脳形成、認知症予防。
- ビオチン:炭水化物・脂質・タンパク質の代謝にかかわる。
- パントテン酸:ストレスに対抗し代謝を促進。ホルモンの合成に必要。
- ビタミンC:コラーゲンの合成。鉄の吸収を促す。ガン予防。

脂溶性ビタミンの種類と主な働き
- ビタミンA:皮膚や粘膜を守る。網膜色素の成分として目の健康維持に。
- ビタミンD:カルシウムの吸収を高め、骨や歯を丈夫に保つ。
- ビタミンE:老化を防ぐ抗酸化ビタミン。血液の流れを良くする。
- ビタミンK:血液凝固やカルシウムの吸収を促し、骨粗鬆症予防に働く。
- ビタミンA
- ビタミンA(レチノール当量)の1日あたりの推奨量は男性で800~900μg、女性で650~700μgです。
脂溶性のビタミンAは過剰摂取にも注意が必要です。
1日あたりの上限量は男女とも2,700μgです。ビタミンAを多く含む食べ物
鶏レバー、豚レバー、あん肝、うなぎ、ホタルイカ、牛レバー、あなご、シソ、モロヘイヤ、にんじん、卵、ほうれん草など。
- ビタミンB1
- ビタミンB1の1日あたりの推奨量は男性で1.2~1.4mg、女性で1.0~1.1gです。
妊娠中・授乳中は+0.2mgが推奨されています。ビタミンB1を多く含む食べ物
豚肉、生ハム、たらこ、うなぎ、いくら、カモ肉、鶏レバー、青のり、大豆、昆布、きな粉、ごま、落花生など。
- ビタミンB2
- ビタミンB2の1日あたりの推奨量は男性で1.5~1.6mg、女性で1.1~1.2gです。
妊娠中は+0.3mg、授乳中は+0.6mgが推奨されています。ビタミンB2を多く含む食べ物
豚レバー、牛レバー、鶏レバー、うなぎ、カモ肉、すじこ、魚肉ソーセージ、納豆、いくら、焼のリ、青のりなど。
- ビタミンB6
- ビタミンB6の1日あたりの推奨量は男性で1.4mg、女性で1.2gです。
妊娠中は+0.2mg、授乳中は+0.3mgが推奨されています。ビタミンB6を多く含む食べ物
にんにく、マグロ、カツオ、牛レバー、鶏レバー、いわし、鮭、鶏ささみ、あじ、さんま、ピスタチオ、抹茶、バナナ、モロヘイヤなど。
- ビタミンB12
- ビタミンB12の1日あたりの推奨量は男性で2.4μg、女性で2.4μgです。
妊娠中は+0.4μg、授乳中は+0.8μgが推奨されています。ビタミンB12を多く含む食べ物
あまのり、しじみ、赤貝、すじこ、あゆ(内臓)、牛レバー、あさり、ほっき貝など。
- ナイアシン
- ナイアシンの1日あたりの推奨量は男性で14~15mg、女性で11~12mgです。
授乳中は+3mgが推奨されています。
一度に100mg以上の大量摂取をすると皮膚が赤くなったり、便秘や下痢を起こしたり、感覚神経障害、肝機能低下などが現れることがあります。ナイアシンを多く含む食べ物
たらこ、マグロ、カツオ、イワシ、豚レバー、牛レバー、くじら、落花生、ひらたけ、まつたけ、えごま、エリンギ、えのきだけ、なめこ、ほんしめじなど。
- 葉酸
- 葉酸の1日あたりの推奨量は男性で240μg、女性で240μgです。
妊娠中は+240μg、授乳中は+100μgが推奨されています。葉酸を多く含む食べ物
鶏レバー、牛レバー、豚レバー、うなぎ、ウニ、枝豆、モロヘイヤ、芽キャベツ、菜花、大豆、ほうれん草など。
- ビオチン
- ビオチンの1日あたりの目安量は男性で50μg、女性で50μgです。
妊娠中・授乳中は+50μgが推奨されています。ビオチンを多く含む食べ物
牛レバー、豚レバー、カレイ、イワシ、まいたけ、モロヘイヤ、菜花、ひらたけ、ゴマ、枝豆など。
- パントテン酸
- パントテン酸の1日あたりの推奨量は男性で5mg、女性で4~5mgです。
妊娠中・授乳中は+5mgが推奨されています。パントテン酸を多く含む食べ物
鶏レバー、牛レバー、豚レバー、卵黄、納豆、たらこ、鶏ささみ、うなぎ、子持ちカレイ、鶏肉、ひらたけ、松茸など。
- ビタミンC
- ビタミンCの1日あたりの推奨量は男性で100mg、女性で100mgです。
妊娠中は+10mg、授乳中は+45mgが推奨されています。ビタミンCを多く含む食べ物
パプリカ、芽キャベツ、レモン、ピーマン、ゴーヤー、柿、キウィフルーツ、いちご、カリフラワーなど。
- ビタミンD
- ビタミンDの1日あたりの目安量は男性で5.5μg、女性で5.5μgです。
妊娠中は+7μg、授乳中は+8μgが推奨されています。ビタミンDを多く含む食べ物
あん肝、しらす、イワシ、イクラ、カワハギ、きくらげ、干しシイタケ、まいたけ、エリンギ、ブナシメジ、シイタケなど。
- ビタミンE
- ビタミンEの1日あたりの目安量は男性で6.5mg、女性で6.0mgです。
妊娠中は+6.5mg、授乳中は+7mgが推奨されています。ビタミンEを多く含む食べ物
あん肝、すじこ、アーモンド、落花生、モロヘイヤ、つくし、カボチャ、シソ、バジルなど。
- ビタミンK
- ビタミンKの1日あたりの目安量は男性で150μg、女性で150μgです。
妊娠中・授乳中は+150μgが推奨されています。ビタミンKを多く含む食べ物
納豆、シソ、モロヘイヤ、パセリ、バジル、つるむらさき、春菊、おかひじき、小松菜、ほうれん草、抹茶、わかめなど。
栄養バランスをとるためには「色々食べる」が大事
さまざまな栄養素が私たちの体内で働いてくれることによって、健康的な体を維持できていることがお分かりいただけると思います。
でも、これらすべての栄養素の量を1つ1つ計算しながら食品を選ぶのは現実的ではありませんよね。
そこで栄養バランスを保つおすすめの方法「色々食べる」ということ。
パンや麺類だけで済ませてしまうのは偏りがでてしまいます。
毎日どんなものを食べたのかをメモしておくのもよいですが、下記すべてのものを食べたかどうか?1日の食事をチェックするだけでもバランスがとれやすくなります。
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1日の食事内容をチェックしてみよう
今日1日、どんなものを食べたか思い出してみましょう。
下記に当てはまるものを少しでも食べられたかどうかを毎日チェックすることで、バランスの取れた食事に近づけることができます。
ただし、食べすぎは注意してくださいね。
今日は食べられたかな?
- 牛乳・乳製品
- 卵(1個まで)
- 魚・魚介類
- 肉
- 豆・豆製品
- 野菜(5種類以上)
- イモ類
- フルーツ
- 穀類
毎日すべてに〇がつくように、いろいろなものを少しずつ食べることを心がけてみてくださいね。